忠しい(?)猫の姿〜希望と現実〜
私は猫を飼っている。
名前は九頭龍。
オス。キジトラ。
理想としては、仕事で疲れて帰った私を
三つ指ついて、玄関口でお出迎えするような猫であってほしいものだ。
『お帰りなさいませ。お疲れでしょう?』
『“だっこ”して和まれますか?』
『お膝に乗って“にゃごにゃご”いたしましょうか?』
『足元“スリスリ”いたしましょうか?』
『気晴らしに猫じゃらしで遊ばれますか?』
『それとも、添い寝して差し上げますから少し御休みになりますか?』
・・・とかとか。
そんなお出迎えをしてもらえるものならば
一日の疲れも、苛々も全て吹っ飛ぶことと思われる。
しかし実際の彼は、
帰った途端、
『おせ〜じゃねぇか餌は!?』と鳴き
どすっと膝に乗って『オラ。ここが痒い〜んだよ!掻けよ〜!』と顎を突き出し
餌を食べて満腹すると“どすっ”とベッドの真ん中を占領して眠る。
少しでも食べ物の音(例;スナック菓子の袋の音・冷蔵庫の開く音)がすると
“ぴくっ!”と反応して『なんだなんだなんだなんだなんだぁ?・・おやつか?俺のおやつか?まぁ寄越せよ遠慮すんな!食ってやるからよぉ・・』と鳴く。
・・・伸縮自在です。
あまつさえ、咬む。
先日、私が帰宅してドアを開けた瞬間に
“ずばぁっ!!”と
足元をすり抜けて外出し、
(彼はたまにそのスリルを楽しむ為の 「すり抜け外出」を決行する)
その後、夜中に帰ってきたかと思うと
何故か全身 泥まみれ水浸し
更にそこはかとなく漂う車のオイルの臭い
・・・一体どこで何をしたきたというのか?
彼がそのままの状態で私のベッドのど真ん中に座ろうとした為、
“待てそれはマズイ!”と、
私は至急、彼を風呂に入れることにした。
風呂嫌いな彼を無理やりバスルームへ持って行き、
シャンプーで‘ごっしごっし’洗う。
案の定、毛皮からはだらだらと泥が流れ出した。
しかし彼の主張としては
『なんでや!帰ってきたら先ずメシちゃうんか!?メシも無しで風呂か!ふざけんな!』
『ずぶ濡れになって、命からがら帰ってきたのに、なんでまたぞろ濡らされなあかんねん!?』
『俺が風呂嫌いやって知ってるやろ〜!!』
・・・みたいな。
当然「感謝の心」などというものは、全く無しである。
彼が最も暴れるのが「タオルドライ工程」。
水をかけている間は、そこそこ大人しいのだが
その間溜め込み続けたストレスが 、タオルドライの工程で大爆発☆してしまうようだ。
今回もその「タオルドライ」中に事件は起きた。
腹を拭いている私の手を‘がぶり’。
力みすぎて、
噛み付いている顎が
“プルプル”震えてしまうほどの噛み付き様である。
頭を叩いて、放させたが・・深い。傷は深いぞ。
0.5ミリ程の太さの注射針を、根元まで刺したようなその傷跡。
血も出やしねぇ・・・!!
問題はその後で、
噛み付かれた親指の付け根が、骨まで痛い気がする。
力を入れたり、手の甲の方へ関節を曲げると「ぴきっ」と痛みが走るのだ・・・
これはもしや、神経とか傷ツイちゃってるんじゃないの??
ヤバイのでは?
・・・と思ったんですが
医者に行くのが面倒くさくて、未だそのまま。
少しずつ、痛みも和らいできているので このまま自然治癒能力に任せる方向で。