環球時報 2005/6/10 《小皇帝 入試の陣》

2005/06/14 15:54

中国では"高考"(=全国高等院校招生統一考試験)が日本でいう大学入試です。


中国の一人っ子政策
各家庭で"小皇帝"が育っている
というのはかなり以前から喧伝されている話ですが、
なるほど 向こうの大学で出会った大学生は
「コイツ ガキだな!」と思わされたり、
「甘やかされて育った坊ちゃんなのね」と思わされたり・・・


中国人女性(女性・幼稚園に通う子供持ち・近所に親居住)の話では
子供が生まれると

  1. 父母
  2. 父方の祖父母
  3. 母方の祖父母

 ・・・で よってたかって構うので、
 ごっつい我侭に育ってしまうそうです。


ま、日本でも今 似たようなものでしょうか?


中国小皇帝 大学入試の陣

2005年6月10日

 “緊張しないで!落ち着いてね!”“頑張って!”
 中国高考試験会場の門前では いたるところで保護者たちが我が子に言い聞かせる声が聞こえる。あわただしく子供を送って試験会場にまで入ってきた保護者は、教師の垣の外から 最後の一分まで子供を励まし続ける。緊張した受験生は手中の受験票を確認しながら試験会場へ入ってゆく。
 韓国では大学受験の時、在校生が試験会場へ来て応援する。他にも学校の門上に飴を貼りつけて受験生の幸運を祈る。中国ではこのような風習はないが、しかし試験会場の戸口に立ってわが子を励ます保護者たちは水も洩らさぬ包囲網を敷いている。一見した所 保護者会でも開いているかのようだ。中国では現在どの家庭も一人っ子であり、保護者の人数はどうしても受験生の数より多くなる。
 6月7日から8日は 中国全土で一斉に高考が行われる日である。一部地方では 9日10日まで試験を続ける所もある。
 今年の中国高考受験生は867万人にものぼり、去年に比べて144万人増加した。そのうち四年制本科の新卒募集定員は230万人、平均倍率は3.5:1にもなる。大学生及び専科学院生を含めると 募集定員が475万人、倍率は1.7:1になる。
 去年 高考では携帯電話によるカンニング事件が発生し、大学生による替え玉受験など規則に違反する事件が発覚した。そのため今年の高考は更に厳格な試験規則を定めた。例えば・・もし試験時間中にトイレに行く場合には試験監督官がついて行かなくてはならない。答案の紙には如何なる記号も書き入れてはならない・・など。ある省では試験会場にカメラまで設置している。
 中国教育部の規定によれば高考の合格ライン(点数)は省・市が決定する事になっている。そんな訳で各省・市ごとに合格ラインの差が非常に大きい。北京・上海などの大都市では合格ラインが比較的低く、安徽・四川省などの合格ラインは比較的高い。この合格ラインの不均衡は 長い間論争の的となっている。
 去年 北京の四年制大学本科では合格ラインが 文科で474点、理科で491点。しかし河南の合格ラインは各々599点/589点にまで高くなる。
 合格ラインの差異は 中国に“高考移民”現象を引き起こしている。つまり高考直前になると 受験生が戸籍を合格ラインの低い省市に移す現象である。中国メディアの報道によれば 今年はこの種の非合法な戸籍移転取引が非常に一般的に行われているとの事だ。
 娘について試験会場へ来た ある保護者の話では、中国社会での競争は日を追って激烈になってきている。卒業後 どこの大学を出たかは学生の能力の重要な評価基準である。今は皆一人っ子なので、子供がどの大学に入るかは 家庭の名誉と盛衰に直に関わってくる問題なのだ。
 試験会場で見られる これらの受験生は 家の中では至れり尽くせりの生活を送る“小皇帝”である。しかし今日 全く異なる空気の中彼らは甘える事も出来ず、皆暗い表情をしている。一部の子供は試験会場に入りながらも、不安そうな眼で窓の外の父母を眺めていた。更に試験会場の外でずっと我が子を励まし、応援し続ける保護者たち。これらの風景を見ると 中国人の心の中で高考が占めるウエイトを推し量る事が出来る。
(6月7日韓国《私の新聞》から引用。原題:“中国小皇帝の大学入試の陣”作者:金大宇 翻訳:高卉)

【環球時報 2005/6/10 第三版】
http://www.people.com.cn/GB/paper68/14959/1327276.html