キレイなお写真(婚紗照片)

2005/04/28 16:27


私が中国から帰国して
日本で友人に話した時、最も食いつきがよかった話題の一つが・・・

「婚紗照片(漂亮照相)」


 呼び方はなんでもいいですが、
 かなり中国全土に広まっているこの風習。


にぎやかな街の中で、
 ひときわ目立つ"似非"西洋風の建物に
 やたら花やリボンで飾りつけをし、
 デカデカと引き伸ばされた男女の婚礼写真が掲示された店
 ・・・が、ソレです。


盛り上がって来ると歩道に進出して、
 ファッションショーまで繰り広げるこのお店。


多分比較的大きな都市ならば、どこでもあるでしょうね。



中国の人は 結婚する際に
結婚式などの式典、及びそれに付随する様々な行事に 大量の散財をします。


「婚紗照片(漂亮照相)」も、上記行事の一つで
 結婚前(または後)に、夫婦でこのお店に行って
 きれいな衣装を着て メイクをして貰い
 プロ(?)に ポーズをつけてもらって、
 写真を撮影するのです。


新婚のお宅には ほぼ例外なく、
 この写真を大きく引き伸ばして額に入れたものが飾られています。
もちろん新婚をとうに過ぎて、熟年夫婦になっても・・・


中国の方にとって、
 人生の節目節目で きちんとした身なりで撮影してもらい
 それを記念として残す事は、割と一般的な風習で

家族・親戚の集合写真を、全員集まって撮影する事もあります。



さて、この漂亮写真。


折角中国に住んでいるというのに、
こんな楽しそうなものを逃すのは、馬鹿だ!!と私たちも思ったわけです。


―さあ!撮るぞ!!
 中国に留学してまもなく一年経とうと言う区切りに
 たくましく成長した"私"像を!!!


てな訳で、友人と行きました。


>>先ずはドレス選びから<<
 我々は一番安いコースを選択しました。
 ドレス三着。
 アルバム・額に入った写真・キーホルダー等々の製品を作ってもらうことができます。
 ドレスは:ウエディングドレス、カクテルドレス・チャイナドレス・中国の伝統的な花嫁衣裳などの中から選択。
 (チョット間違っちゃった和服も有りました。
   間違っちゃってましたけどね。)


私は体のサイズがデカいので、選択肢が狭まりましたがw
 結局黄色のドレスと、チャイナドレス、中国清朝時代の赤い衣装を選びました。
  ―余談ですが、高いコースならば
   それなりにセンスの良いドレスを選ぶ事が出来ます。



>>ドレスを着用したら、次は化粧です<<
 大通りに面したガラス張りのホールで、
 通りを行く人々に見守られながら
 ずらりと並んだ化粧台に腰掛け、
 小姐たちにガッツリ塗りたくられます。


 ―本当に、塗りっっっったくられます―


 ベースメイクだけで、三十分は掛かっていた気が。
 途中で気が遠くなりました。
 出来上がった皮膚は、人のものとは思えないほどのマットさ加減。


 更に、まぶたを二重にし
 (セロテープを三日月形に切り抜き、それをまぶたに貼。
  おかげ様で瞬きのし辛いこと。
  それが私の二重まぶた初体験でしたw)


 付け睫を着け、
  (ばっさぁ!!としたのを、
   何か違う場所につけられました。
   まぶたの皮膚の上についていたような・・・)


 弓形に眉を書いて
  (濃い!弓形の、非常に作りもの的な 眉。
  まあ写真に写るんですから、それでいいのでしょう・・・)


 紅い口紅を塗って、完成です。


―まぶたが非常に重いです。
 この段階で既に疲労困憊です。



>>次に、撮影室が空くのをじっと待合室で待ちます<<

 空いた部屋から放り込まれる方式でした。
 その日は超!混んでたんです。


その待合室が
 部屋自体は、薄暗い病院の待合室なんですが
 (長いすがあって、テレビがある。みたいな・・・)


座っている人間が、
 ドレスにタキシードのラヴラヴ☆カップル。
 四段腹が生地の上からも見て取れる、チャイナドレスのおばちゃん。
 待ちきれずに愚図りだす、蝶ネクタイの子供。
  ・・・などなど。


その人また人の間を、
 老板が目薬を片手に練り歩き
 お客様に話しかけて 退屈させないよう気を使ってみたり、
 待ち時間が長すぎて、
  目が充血した人間(=私だ)に目薬を注したり、
 ちんたらしている平社員を叱り飛ばしてみたり・・・




>>とにかく待ちに待って撮影に突入<<
 が、
 カメラマンの要求が厳しい・・・
  「お腹を引っ込めろ!!」 とか
  「もっと反れ」とか
  「笑顔!もっと笑顔!!」とか
   (「腹引っ込めろ」はキツイですよねぇ
     ・・・そりゃ出てますけども。》



そんな苦闘の末、産み落とされた
>>私の思い出の一枚<<


 プラスチックの丸椅子に 黄色いドレスで腰掛け
 後に回ったスタッフに、
  ドレスの裾を捲り上げられて撮った一枚です。


―黄色いドレス生地の中で
 引きつった笑顔を浮かべ頬杖をつく私。


ドレスの下はパンツ一丁でした・・・


 ―ううぅぅ。もうお嫁に行けないぃ(ToT)




そんなこんなで、
最後に友人と集合写真を撮った瞬間の私は、もう睡眠一歩手前。


へとへとのくたくたのよれよれでした。



でも、まあ撮った写真は 中々の出来で
 「コレは苦労が報われた。」と思ったものです。


日本にもって帰って、友人に見せたときの反応も凄い良かったしね^^


女の子は皆、やってみたがるですね。
こういうのは。変身願望というのでしょうか?


ちなみに友人は
 男3女3で撮影に行って、
 男女逆転の婚礼衣装を着て 写真撮影をしていました。
  w楽しそうじゃぁないか!!


次の機会があれば、また やってもいいかも・・・と思います。



中国にご夫婦で駐在されている方とか、
試されてはどうでしょうか??


お勧めです☆